事業所でコロナ感染が拡大したときの対応

事業所内でスタッフ1人陽性者が出ました。

その後どのように対策したらいいか?

いまの主流株であるオミクロン株(B.1.1.529系統)は、かぜのような軽症で経過することが多いですが、

世間的にはただのかぜみたいな対応じゃ済まされないのが現実です。

症状があってコロナ陽性判定を受けた場合、10日も自宅待機しないといけないので、こんなに休んでたら業務に大きな影響が出てしまうのも事実です。

このまま、感染が拡大して、何人も従業員がアウトになったら、お店を閉鎖せざるを得ません。

どうしましょう?

感染防止対策の強化

まずは、従業員どうしの接触する場面を特定して、その場面における感染対策強化を実施します。

厚生労働省の資料(2022年8月版 新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識)によると、

感染リスクが高まる「5つの場面」

場面1:飲酒を伴う懇親会

場面2:大人数や長時間におよぶ飲食

場面3:マスクなしでの会話

場面4:狭い空間での共同生活

場面5:居場所の切り替わり

なので、職場で、できるだけこのような似たような場面を作ってあげないことを徹底する必要があります。

特に、昼休みの時間を、狭い休憩室で過ごしてもらっている場合は、

休憩時の感染対策の具体例

1)黙食

2)会話時のマスク着用の徹底

3)休憩室以外の場所を活用して、バラバラで休憩・食事を取る

4)換気

などと、3密(密閉・密集・密接)の環境を作らないような努力をしましょう。

受診目安の提示

受診の最終判断は、あくまでも個人の自由です。

しかし、事務所全体で考えると、陽性判定が出たら困るのも事実です。

なので、従業員全体で、コロナが疑われた時、まず自主的に自宅療養をはじめさせ、受診・検査の目安を提示しておくといいかなと思います。(感染者が出る前から提示しておくと良いでしょう)

コロナ症状が疑われたら

1)症状が軽い場合は、あわてて検査や受診をする必要はなく、まず自宅療養を続ける

2)受診の目安

 ・水が飲めない

 ・ぐったりして動けない

 ・呼吸が苦しい

 ・呼吸が速い

 ・乳幼児で顔色が悪い

 ・乳幼児で機嫌が悪くあやしてもおさまらない

 ・37.5℃以上の熱が4日以上

 ・65歳以上

 ・65歳未満で基礎疾患がある

 ・妊娠中

 ・ワクチン未接種

4学会声明を参考にしています。

濃厚接触者の特定

実際、感染者が1人から、数人出て、感染拡大が疑われます。

まずは、濃厚接触者をガイドラインに沿って特定します。

濃厚接触者の判定基準

1)陽性者の人

2)手で触れることの出来る距離(約1メートル)で、

3)マスクなしで、

4)15分以上の接触や会話をしていますか?

5)(直近3ヶ月で感染既往がある人は除外?)

これを目安に、濃厚接触者と思われる人に対しては、適切な対応をとります。

このときも、濃厚接触者だからといって、あわてて受診させるのではなく、

濃厚接触者の待機期間(5日間)を適用させます。

で、待機期間中に、健康観察を行い、上記の受診・検査の目安を参考にして行動するように指示しましょう。

行政のマニュアルを確認

陽性者が出た場合の対応はどうすればいいか、具体的に厚生労働省の指針を確認してみましょう

事業所等で感染者が発生した場合の具体的な取扱

・保健所等による積極的疫学調査及び濃厚接触者の特定・行動制限は求めない。 このため、必ずしも行政検査の対象とはならない。

同一世帯内以外の事業所等で感染者と接触があったことのみを理由として、 出勤を含む外出を制限する必要がないこと

実際、感染者が増えすぎて、保健所も積極的な介入が不可能になっていることもあると思います。

なので、各事務所でこれを参考に対策していくしかないということですね。

軽いかぜ同然とはいえ、感染が拡大すると、社会活動に大きな影響が出るのが現実です。

世界的には、ほぼウィズコロナが定着していますが、日本はまだまだ厳し目の対策です。

でも、保健所や医療機関的には、「もうよくない?」という本音があるのも事実です。

はやくコロナで悩まされる日々が終わるといいですね。

(参考文献)

1)新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(2022年8月版)

2)限りある医療資源を有効活用するための医療機関受診および救急車利用に関する4学会声明

3)B.1.1.529系統(オミクロン株)の特徴を踏まえた感染者の発生場所毎の濃厚接触者の特定等の実施について、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部

新型コロナの名前、どうやって決まる?

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新型コロナウイルス感染症(変異株)への対応、厚生労働省

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