歯医者のどんちゃんです。
今回は、歯の亀裂(クラックcrack)について解説します。
目次
「硬いものを強く噛んでしまった」、「歯ぎしりがひどい」など、
歯に強い力がかかると、亀裂(ひび)が入ることがあります。
亀裂が歯の神経までいくと、いろいろ不具合が出てきます。
亀裂が細菌の通り道になって、細菌が歯の神経まで到達すると、
噛むと痛い、何もしなくても痛いなどの歯の痛みを誘発したり、歯の神経を腐らせて、歯が腫れたりします。
でも、亀裂は0.01ミリの非常に細い筋ですので、レントゲンでまず写らないですし、肉眼でもわからないことが多いです。
亀裂の診断には、マイクロスコープ(手術用顕微鏡)の拡大視野が必須です。
亀裂歯を、実際のマイクロスコープでみた様子を、写真でみながら、診断と治療の手順をみていきたいと思います。
亀裂によって歯周病になっているかが(5mm以上の深い歯周ポケットがある)、予後に大きく関わります。
亀裂によってできた歯の隙間に、歯周病菌が定着して、歯を支える骨を破壊して、深い歯周ポケットができてしまいます。
歯周ポケットができてしまっている歯に対する治療の成功率は、1年成功率で5割程度との報告もあり、予後が非常に悪いです。
歯周ポケットがない場合は、比較的良い予後が期待できます。
亀裂歯の根管治療の成功率に関する論文についてはこちらを参考にしてください。
マイクロスコープをしっかり使える歯医者に、亀裂をしっかり見てもらいましょう!