白くて強いセラミックでできた歯はどうやって歯に固定するのか?
ジルコニアやイーマックスなどのセラミック修復物を歯に接着させるための表面処理についてみてみましょう
目次
クラウン、インレーなどの歯の修復物を、簡単に取れないように、どうやって歯に固定するのか?
歯と修復物にコンポジットレジン系のセメントを介在させて固定します。
なので、介在させるコンポジットレジンが、歯にも修復物にも接着できるような表面処理をしないといけません。
ジルコニアは、従来、コンポジットレジンに接着させるのが難しいといわれていましたが、
ジルコニア表面に以下の処理を行えば、有効なコンポジットレジンへの接着強さが出せるといわれています。
1)歯にジルコニア修復物を試適した後、超音波洗浄
2)サンドブラスト処理:30~60μm アルミナ、5秒間
3)プライマー処理:MDP含有プライマー
・Blatz MB et al, Compend Contin Educ Dent. 2016
シリカ系素材なので、レジン系への親和性は比較的高いです。
酸処理やシランカップリング処理が有効とされています。
1)酸処理:4.9%フッ酸を20秒間処理(Fonza RF, J Adhes Dent. 2020)
2)アルコールで2〜5分間超音波洗浄(余剰の酸溶液の除去)
3)シラン処理:γ-MPTS含有プライマー
シラン処理済みの修復物表面には、アドヒシブ層(adhesive layer)が必要なく、レジンセメントを直接応用したほうが良いとの報告もあります。(Nogueira IO et al, J Prosthet Dent. 2021)
1)メガボンド2(クラレノリタケ)のプライマー:MDP、HEMA、精製水、光重合触媒
2)メガボンド2(クラレノリタケ)のボンド:MDP、フィラー、光重合触媒
3)クリアフィルセラミックプライマープラス(クラレノリタケ):MDP、シランカップリング剤、エタノール
4)G2-ボンド(ジーシー)のプライマー:MDP、4-MET、MDTP、アセトン、フィラー、重合開始剤