令和6年6月1日から、か強診が廃止され、口管強(口腔管理体制強化加算、こうかんきょう)へと変更します。
一応、か強診の届出医療機関は、令和7年5月31日までには経過措置として、口管強の加算項目を算定できますが、経過措置の間に、口管強の新たな施設基準を満たしておかないいけません。
口管強の新たな施設基準では、かかりつけ歯科医に口腔機能管理の強化を求めています。
目次
口腔機能管理とは、口腔機能低下症に対する管理のことをいいます。
保険診療による口腔機能管理の流れとしては、
口腔機能精密検査を行い
→口腔機能低下症と診断し
→口腔機能低下に対する機能管理を行う
といった感じになります。
まず、口腔機能低下症の診断を行うために、口腔機能精密検査を行います。
1)口腔衛生状態不良:舌苔付着度
2)口腔乾燥:口腔粘膜湿潤度もしくは唾液量(サクソンテスト)
3)咬合力低下:咬合圧検査もしくは残存指数
4)舌口唇運動機能低下:オーラルディアドコキネシス
5)低舌圧:舌圧計
6)咀嚼機能低下:咀嚼能力検査もしくは咀嚼能率スコア
7)嚥下機能低下:嚥下スクリーニング検査(EAT-10)もしくは聖隷式嚥下質問紙
特別な理由がなければ、基本的には、7つの項目をすべて検査する必要があります。
上記の7つの項目について検査を行い、そのうち3項目以上が該当する場合、口腔機能低下症と診断します。
口腔機能低下症と診断されただけでは、口腔機能管理料は算定できなく、以下の条件が必要です。
・口腔機能低下症である
・50歳以上もしくは50歳未満で脳卒中やパーキンソン病の患者
・口腔機能精密検査7項目のうち、咬合力低下・咀嚼機能低下・低舌圧のいずれか1つ以上が該当
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舌表面を9つの区域に分割し、各区域を3段階(0~2)評価します。
・スコア0:舌苔が認められない
・スコア1:舌乳頭が認識できる薄い舌苔
・スコア2:舌乳頭が認識不可能な厚い舌苔
・TCI(舌苔インデックス)=9区域スコアの合計/18 x 100
・口腔水分計(ムーカス)による評価:口腔粘膜湿潤度が27未満
・サクソンテストによる評価:2gのガーゼを舌下部に置き、ガーゼの2分間の重量増加が2g以下
・咬合圧検査器による評価:デンタルプレスケールが必要、施設基準届出が必要
・残存指数による評価:19本以下
パ、タ、カを10秒間できるだけ早く発音させ、いずれの1秒あたりの発音回数が6回未満
・パ:口唇の運動機能
・タ:舌前方の運動機能
・カ:舌後方の運動機能
低舌圧は舌圧測定により評価します。舌圧測定器 (JMS舌圧測定器TM)のプローブを舌で硬口蓋に数秒間全力を用いて押し付け、最大舌圧を計測します。 最大舌圧が30kPa未満で低舌圧と評価します
咀嚼能率スコア法:グミゼリー(咀嚼能率検査用グ ミゼリー,UHA 味覚糖TM)を30回咀嚼後、吐き出させ、粉砕片を視覚資料と照らし合わせて評価する方法です。
スコア0、1、2に相当すると咀嚼機能低下です。
咀嚼能力検査:グルコセンサーを使う方法で、施設基準届出が必要です。
・EAT-10の合計点数が3点以上
特に重要な咬合力低下、低舌圧、咀嚼機能低下は、検査機器を使って評価すれば、検査の保険点数を算定できます。
ただし、咬合圧測定器と咀嚼能力検査システムは、施設基準の届出(https://www.gcdental.co.jp/product/oralfunction/assets/files/attachment-2.pdfと届出書添付書類と)が必要で、購入費用もありますし、使用ハードルが少し高いです。
・舌圧検査:140点、3月に1回
・咀嚼能力検査:140点、6月に1回
・咬合色検査:130点、6月に1回
「口腔機能の低下を来しているものに対して、口腔機能の回復又は維持を目的として、当該患者等の同意を得て、当該患者の口腔機能評価に基づく管理計画を作成し、療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り算定する。」と解説してあります。
管理計画書を作成し、文書提供を行います。
60点/月1回で、口管強施設は50点加算があります
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口腔機能の獲得や口腔機能の回復又は維持を目的として指導訓練を実施した場合に算定します。
令和6年診療報酬改定で新設された項目で、50点で月2回算定可能です。
口腔機能管理料 60点+口管強加算 50点+歯リハ3 50点(月2回)=最大160点
以上、口腔機能低下症に対する口腔機能管理の実際についてまとめてみました!
最初は評価項目も多くて、ハードルが高いようにみえますが、上手く噛めない患者さんのために、対応できるようにしておくといいかもしれないですね!
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