こんいちは、歯医者のどんです。
今回は、保険診療でもマイクロスコープを使った精密な根管治療が受けられるということで、実際の点数と費用について、次の順に解説したいと思います
目次
まず、なぜ根管治療の時にマイクロスコープを使う必要があるのか?
私のYouTubeチャンネル(歯医者のどんちゃんねる)にマイクロスコープでみた根管治療の様子がアップロードされているので、ぜひみていただきたいですが、歯の中を消毒する治療である根管治療は、目でみえない世界ですので、マイクロスコープで視野を拡大して、歯の中を細かくみることで、歯の中の消毒を精密で正確に行えるますし、その分根管治療の結果もよくなります。
基本的に、マイクロスコープによる精密根管治療は、自由診療による高額な治療になりますが、実は、部分的にではありますが、保険診療でも、マイクロスコープを根管治療のときに使うことができるようになりました。
まず、この点数を加算できる歯医者とできない歯医者があります。
「手術用顕微鏡加算の施設基準」を届出て取得している歯医者じゃないと点数が取れないですが、
- 手術用顕微鏡を用いた治療にかかわる専門の知識および3年以上の経験を有する歯科医師が1名以上配置されていること
- 保険医療機関内に手術用顕微鏡が配置されていること
実際、スクエルというサイトで施設基準を取得しているかどうかを検索することができます。
詳しくは、解説動画をご参考ください
それでは実際、保険診療で行う精密根管治療の費用をみてみましょう。
ちなみに、保険診療では、すべての歯に行えるわけではなく、いくつかの条件が必要です。
- 施設基準届出機関でないといけない
- 根が3本以上の奥歯(3根管以上の大臼歯もしくは樋状根)にしか保険適応できない
- 三次元のレントゲン(歯科用CT)の撮影が必要
これらの条件を満たした場合、保険診療でも精密根管治療が行えます。
実際、保険点数をみてみましょう
- 初診料(外来環1) 287点
- 術前レントゲン写真(デンタルX線写真) 48点
- 歯科用CT 1,170点
- 抜髄 598点
- 根管長測定 75点
- 再診料(外来環1) 60点
- 根管充填 122点
- 加圧根充 210点
- 手術用顕微鏡加算 400点
- Ni-Tiロータリーファイル加算 150点(令和4年4月から追加)
- 根管充填後レントゲン写真 48点
これらの点数をすべて合計すると3,296点で、32,960円に相当します。
窓口負担3割の場合、32,960円の3割ですので、
だいたい合計1万円の自己負担になります。
1万円で精密根管治療ができるって、リーズナブルですね!
とはいえ、保険診療の範囲で、しっかりした精密根管治療ができるかどうかは微妙なところですので、根管治療で困っている方は、お金がかかっても、技術の高い歯科医師による自費の根管治療を検討しましょう!
それではまた!
[…] […]
Youtubeを見てお問い合わせをさせて頂いております。
以前のHPでは、動画のとおり、手術用顕微鏡加算から検索が可能でしたが、現在のスクエルのHPでは検索ができません。
手術用顕微鏡加算の届け出のある歯科の調べ方が他にあれば、ご教示いただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
お問い合わせいただきありがとうございます。別の方法としては、Googleなどの検索で、「届出受理医療機関名簿+地域名」を入れると、各歯科医院が届出ている施設基準を公表している「届出受理医療機関名簿」というものが載っている厚労省のページが、検索結果の上に出てきますので、そちらで確認することができます。そこに、「手顕微加」という略語が、手術用顕微鏡加算を意味するので、それが記載されている歯科医院を探せば良いかと思います。ただ、ご自身の目で探さないといけないので、ちょっと面倒にはなります。他の良い方法があれば、またコメントを残します。