歯根が割れたら(歯根破折)、どうしますか?
抜くしか方法がありません!
でも、諦めたくない方、一度私の症例をみてみてください。
目次
歯根が割れたらどうして抜かないといけないのか?
骨は割れても(折れても)、骨細胞によって折れた部分をくっつけて治してくれますが、
歯は、再生能力がないので、割れたらもうアウトです。
基本的には、割れたまま、くっつかないで、割れ目に細菌が増えます。
そして、細菌感染が進むと、歯を支える骨(歯槽骨)を破壊したり、膿が溜まって、歯茎が腫れたりします。
歯根破折した歯を残すために、クリアしなければならないことを考えてみましょう
まず、歯根の割れ目の細菌感染をしっかり消毒しないといけません。
歯根破折によって、歯茎が腫れたりする原因も、歯根破折部の割れ目が細菌感染に陥ったからです。
なので、まずは、割れ目の消毒を徹底的に行う必要があります。
根管治療の根管洗浄に使われる次亜塩素酸ナトリウムが最も効果的といえます。
きれいにした割れ目は、しっかり埋めてあげないといけません。
割れ目によって、歯根に隙間が空いている状態ですので、そのままにすると、再び細菌たちが侵入してきます。
割れ目を埋める材料は、歯周組織に接するわけですので、生体親和性と封鎖性に優れてMTAが適切だと思います。
再び歯根破折が起きないように、しっかり歯根を補強してあげないといけません。
強力な歯の接着システムを総動員して、とても弱くなってしまった歯根がまた割れないようにしないといけないんです。
この補強作業が非常に難しいところだと思います。
そもそも、歯根破折を起きている歯は、元々残っている歯の量が少ないので、余力がほとんどない状態です。
歯の接着システムに加えて、ポリエチレンファイバー(リボンド)などの補強材を駆使して、接着強度を最大限に出してあげる必要があります。
本来、歯根破折歯牙は抜くしか方法がありません。
しかし、どうしても歯を残したい希望がある患者さんも、中にはいるので、ダメ元でやってみるような方法です。
正直、何年持ってくれるか、全く未知数ですが、少しでも歯の延命を望む場合は、やってみてもいいんじゃないかなと思います。
それでもダメなら、諦めて抜きましょう!
それでもまた!