歯医者のどんちゃんです。
最近、インターネットやSNSの普及によって、歯科の専門的な知識も簡単に得られるようになりました。
はじめて来院される方でも、患者さんから、
「ラバーダムを使ってほしい」
といった要望をよく聞きます。
とても意識の高い、歯科治療リテラシーの高い方が増えているってことですね!
今回はラバーダム防湿の意義について考えてみます。
目次
ラバーダム防湿は、英語で「rubber dam isolation」と言いますが、
直訳すると、「ラバーダムによる隔離」という意味になります。
たしかに、日本語訳の「防湿」より、ラバーダムシートで術野を隔離するという「isolation」のほうが、ラバーダムの意義をより表現している気がします。
ラバーダム防湿が特に有効な歯科治療は
・根管治療
・接着修復:コンポジットレジン修復、セラミック修復
があげられます。
ラバーダム防湿ですが、根管治療のときと、接着修復治療のときで、その意義が少し違うといえます。
ラバーダム防湿といえば、根管治療のイメージがやはり強いと思います。
1)口腔内からの感染源の排除(特に唾液からの)
2)根管治療時に使う薬液漏洩の防止(特に次亜塩素酸ナトリウム)
3)舌や頬粘膜などの口腔内軟組織の排除
などがあげられます。
2)の役割も大事で、特に、根管内を消毒する際に使う次亜塩素酸ナトリウムが喉に流れてしまうとかなり刺激性が強く、治療中とても辛くなるので、ラバーダム防湿で、消毒液が喉に流れないようにすると良いです。
必要があれば、コンポジットレジンで隔壁を作って(隔壁形成)、歯に壁を作って、防湿性をされに上げてあげる必要があります。
根管治療時は、暗い根管の中をよく見たいので、黒いラバーダムシート(Nic Toneラバーダムラテックスシート・ミディアム・ブラック・6X6インチ(本当はブラックもthinの5×5インチがほしいですが))を用いて、余計な光の反射を抑えます。
接着修復時にもラバーダム防湿が必要です。
根管治療時のラバーダムは「隔離isolation」の意味合いが強く、接着修復時のラバーダムは、まさに「防湿」の側面が強いです。
1)接着阻害因子である口腔内の水分環境を排除
2)歯肉の排除
3)舌や頬粘膜などの軟組織の排除
4)修復物の誤飲・誤嚥の防止
接着修復時には、伸びがよくて、修復物の色が映える、Nic ToneラバーダムラテックスシートのThin・ブルー・5X5インチを使っています。
今回はラバーダム防湿について書いてみました。
なかなか面倒な処置で、やってくれる歯医者は正直少ないと思いますが、
やってくれる先生に出会えたら、ほめてあげてください!