こんにちは、歯医者のどんです。
今回は、歯の痛みの原因について考えてみます
どん先生、歯が痛いです。
すぐに歯の神経を取ってください
ちょっと待ってくださいね!
まず歯の痛みの原因をしっかり調べましょう!
まず、痛みのおおまかな原因には以下があります。
目次
1)歯髄炎
2)根尖性歯周炎
3)辺縁性歯周炎
細菌感染による痛みは、歯が、虫歯菌や歯周病菌に感染したことによって起こる痛みのことをいいます。
虫歯菌によって、歯の神経(歯髄)が炎症を起こして痛くなる場合は、「歯髄炎」といいます。
歯髄炎になると、「冷たい飲み物、暖かい味噌汁などの温度刺激によって強くしみる」、「歯がズキズキする」などが症状として現れます。
歯髄炎を放置する、炎症が歯の神経を超えて、歯の根の尖端まで炎症が波及し、根の尖端の炎症である「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」になります。根尖性歯周炎になると、「噛むと痛い」、「歯の根本を押すと痛い」、「歯の根本が腫れている」、「歯の根本の歯茎から膿が出る」などの症状が現れます。
辺縁性歯周炎は、歯周病菌による歯茎の炎症のことで、歯茎の腫れや痛みを誘発します。親知らずの痛みも、この辺縁性歯周炎の一つです。
歯髄炎、根尖性歯周炎、辺縁歯周炎は、視診やエックス線画像で比較的簡単に診断することができるので、そこまで歯科医師を悩ませることはないです。
1)歯の亀裂
2)歯ぎしり、くいしばり
3)TCH(Tooth Contacting Habit)
細菌感染以外に、歯の痛みを誘発するもう1つの大きな原因は、「噛む力」です。
特に、「歯の亀裂 tooth crack」は目に見えないので、診断がなかなか難しいです。
異常な力が歯にかかることによって、歯に亀裂が入ることがあります。その亀裂が、歯の神経の近くまで入ってしまうと、歯の強い痛みを誘発します。
歯に深い亀裂が入ると、「噛むと痛い」はもちろん、虫歯のように「冷たいもので強くしみる」、「歯がズキズキする」などの症状がでてきます。
レントゲンや肉眼による視診では、亀裂が入っているかどうかわからないので、マイクロスコープの拡大視野による診断が必要になります。
私のYouTubeチャンネルである「歯医者のどんちゃんねる」に、マイクロスコープで歯の亀裂を診断する動画がアップされていますので、ぜひご覧ください!できればチャンネル登録もお願いします!
歯の亀裂以外にも、歯ぎしりやくいしばり、歯を長時間接触する癖(Tooth Contacting Habit, TCH)で、歯に過剰な力がかかることによっても、歯の痛みが誘発されます。
過剰な力によって、歯が噛む力によって縮んだり伸びたりすることで、歯の神経や歯茎にダメージを与えることによって、「噛むと痛い」、「しみる」などの症状を誘発することがあります。
関連痛は、歯そのものの異常があるわけではなく、筋肉や神経、副鼻腔の炎症に連動して、歯が痛くなることをいい、歯が原因じゃない歯痛と書いて「非歯原性歯痛」ともいいます。
1)筋肉痛由来
2)神経痛由来
3)蓄膿症由来
4)頭痛由来
筋肉痛由来の関連痛(筋筋膜性歯痛)は、過剰な噛む力による筋肉痛からくる歯痛のことです。主に、咬筋という咀嚼筋の筋肉痛に連動して、下の奥歯が痛くなることがあります。
神経痛由来の歯痛(神経障害性歯痛)は、主に三叉神経痛由来の歯の痛みです。末梢神経が障害されたことによる三叉神経痛の原因には、帯状疱疹ウイルスの感染、歯科治療による三叉神経の損傷(特に親知らず抜歯やインプラント埋入)などがあります。
蓄膿症由来の歯痛は、上顎洞炎による歯痛のことで、上顎洞に近接している上の奥歯(上顎の第二小臼歯〜大臼歯)が痛くなります。
- 特発性歯痛(非定型歯痛)
上記の分類に当てはまらない歯痛を、特発性歯痛(非定型歯痛)と分類します。
これっていう原因がわからない場合です。複雑な要因によって、中枢側で、痛みの処理が狂ってしまって、過剰に痛みを感じてしまっているじゃないかといわれています。
以上、歯の痛みの原因と種類について書いてみました。
実は多い歯痛の種類、いかがでしたか?
どん先生、歯痛の種類って虫歯だけじゃないんですね!
勉強になりました。
そうなんです!
治療が必要ないのに神経を抜かれないように、歯痛の知識を頭にいれておきましょう!
そうですね!
自分の歯は、自分で守ります!
・歯痛の原因, 第一三共ヘルスケア
・非歯原性歯痛とは?8つの原因と筋・筋膜性歯痛の治療, NHK健康
・非歯原性歯痛の診療ガイドライン改訂版(2019年), 日本口腔顔面痛学会