歯がしみる原因

患者さん
患者さん

どん先生、歯がしみます。

虫歯ですか?

歯医者のどん
歯医者のどん

虫歯以外にも歯がしみる原因があります!

歯がしみるというのは?

まず、歯がしみるということは、どういうことでしょうか?

歯の中には、歯髄という柔らかい組織が入っています。

歯髄には神経が入っていて、特に温度の変化(特に冷たい)を感知しています。

「歯がしみる」状態は、歯が外部の刺激に対して敏感に反応していることを意味します。

何でしみる?

歯がどのような刺激でしみるかを確認する必要があります。

刺激の種類としては、

  • 冷たいもの:冷水、アイスなど
  • 歯ブラシ
  • 暖かいもの:味噌汁など

何でしみる?

歯がしみる場合は、

  • 感覚のある象牙質が一部露出していて
  • 歯髄が炎症によって、刺激に過敏になっている

といった状態が考えられます。

象牙質が露出する原因

歯の構造(Wikipediaより)、歯の最表層はエナメル質、その内側に象牙質、さらに内側には歯髄がある

象牙質が露出する原因で多いのは、やはり虫歯です。

虫歯がエナメル質を越えて、黄色っぽい象牙質まで侵攻している

虫歯は、虫歯菌が砂糖を餌にして、歯にくっついて、歯を溶かしながら穴を空けていく病気です。

虫歯が、最表層のエナメル質を越えると、歯の内側に到達し、象牙質が露出することになります。

虫歯以外には、トゥースウェアtooth wearがあります。

歯ぎしりなどの強い力によってエナメル質がすり減って、象牙質が露出する状態です。

トゥースウェアtooth wearによる象牙質の露出

そこに、お酢・梅干し・胃酸などによって、お口の中が酸性状態に傾きやすいかたですと、重篤に歯がすり減ってしまうこともあります。

また、歯と歯茎の境目のエナメル質はとても薄くて、強い歯ブラシなどで簡単に剥がれてしまいますが、

こういう状態を、くさび状欠損もしくは非う蝕性歯頸部欠損NCCL、non-carious cervical lesion)といいます。

くさび状欠損(非う蝕性歯頸部欠損・NCCL)、歯と歯茎との境目のエナメル質が剥がれて、黄色い象牙質が見えている

ただ、象牙質が露出していても、全くしみないない場合もあります。

象牙質露出の原因

1)虫歯(う蝕)

2)歯のすり減り(トゥースウェア)

3)くさび状欠損(NCCL)

歯髄が軽く炎症状態

歯髄が炎症を起こして、感覚の閾値が低くなると、通常はしみない刺激でも、強くしみるようになります。

歯髄炎によって過敏になっているってことですが、歯髄炎の原因としては、

歯髄炎の原因

1)細菌感染:象牙質に及ぶ虫歯

2)外傷性咬合:異常な噛む力(歯ぎしり、くいしばり、TCH)

細菌感染は、虫歯によるものですが、虫歯が歯髄まで行かなくても、象牙質に及んでいるだけでも、歯髄炎になります。

象牙質には、歯髄の細胞が象牙細管に細胞突起を出しているので、象牙質がやられると、歯髄も一緒にダメージを受けることになります。なので、象牙質う蝕によって歯髄は炎症を起こすのです。

また、異常な噛む力によって、歯が微妙に変形して、歯髄が伸びたり縮んだりを繰り返して、歯髄が外傷的なダメージを受けることになり、炎症を起こします。

こういった、細菌や噛む力による歯髄のダメージが、知覚過敏につながって、通常の刺激でもしみると感じやすくなるのです。

特に、しみる症状がだんだん悪化していった場合、歯の亀裂が原因の場合もありますので、こういう場合は要注意ですし、早めの対応が必要になってきます。

じゃ、どうすればいい?

まず、歯ブラシの擦過刺激だけしみる場合は、露出した象牙質にしみ止め成分含有の歯磨き粉を使ってみましょう。

歯ブラシによる知覚過敏で悩んでいる方におすすめの「チェックアップルートケア」です。

成分としては、

  • 知覚過敏抑制剤:硝酸カリウム、象牙質の象牙細管を塞いで感覚を遮断する
  • 研磨剤無配合:露出した象牙質がすり減りにくい
  • むし歯予防成分:フッ素最大濃度含有(1450ppm)、コーティング剤
  • 殺菌成分:CPC(塩化セチルピリジニウム)

硝酸カリウムで知覚過敏抑制効果があるのはもちろん、露出した象牙質が歯ブラシで削れないように、研磨剤も入っていません

虫歯予防効果や殺菌成分もあるので、歯磨き粉の処方としては、最高ともいえるでしょう!

歯ブラシだけじゃなくて、冷たいものでしみる方も、ぜひ試してみる価値はあるとおもいます。

冷たいものがしみる方は、「象牙質の露出」以外に、「歯髄の軽い炎症」が何らかの原因で隠れている可能性があります。

なので、まずは虫歯がないかしっかり歯医者さんでみてもらいましょう。

あとは、噛む力の要因がないかも、要チェックです。

レントゲンなどで異常がないといわれたのに、ずっとしみる方は、特に要注意です。

歯ぎしりくいしばりなどはもちろん、歯を常に軽く接触する癖(TCH, Tooth Contacting Habit)、あとは、それらの持続的な作用による歯の亀裂も可能性としてあります。

スプリント療法や、マイクロスコープによる歯の亀裂の早期診断・早期対応がとても大切です。

いかがでしたか。

歯がしみる原因は、単純に象牙質が露出したことによるものが多いですが、

虫歯はもちろん、噛む力の要因が隠れていることがかなり多いですので、歯がしみる症状をあまり軽くみないで、早めに歯医者にいって、問題がないかみてもらいましょう。

特に、歯の亀裂が絡んでいる場合は、マイクロスコープによる亀裂の早期診断・対応が望ましいです。

まずは、歯がしみる場合は、上で紹介した、「チェックアップルートケア」を試してみて、それでも症状がよくならない場合は、必ず歯医者を受診しましょう!

それでは、また!

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